100回のキス

 更新がしばらく滞っていたら「ああ、コイツあややのラジオを聞き逃したんだな」と思っていただきたい。あややのラジオを聞き逃すと、その一週間は疲れがドッと溜まるというか、まあ物理的に考えるとあややのラジオ聴かない方が睡眠時間たっぷり取れるわけで、一見良いような感じがするのだけれども、やっぱりリアルタイムで流れてくるあややの声、私が右手を動かしているその時正にあややはラジオの向こう側のマイクの前でヘッドホンをして「みきたんがですねー」みたいなことを喋っているという、こういうのをなんというのだか分からないのですけど、時間の共有とでも申しておきましょうか。「あややと俺は時間を共有しているんだ」という感じが、私の一週間の半ばにおける「俺って生きているんだ!」と感じる最大の動機付けでありまして、ゆえにそれを聞き逃したりすると木曜日金曜日は、先週の土日で蓄えたエネルギーを惰性的にチビチビと使いながら生きていくことになって非常にせこいことになる。で、あややのラジオを聞き逃すとやたら性的な夢を見るのだけど、多分これは私の身体があややのラジオを聴くことの代替として、私に性的な夢を見させて木曜日金曜日のエネルギーを補おうとしているのだな、と思うのですが、私はそのような脳髄というチンケな精神構造が見せる絵空事で心を満たすことは出来ない。私は「あややと時間を共有している」という確固たる証拠が欲しいのであって、だからあややのラジオを聞き逃したからネットで拾えばいいや、とかそういう安易な考えで代償を得ることもできないわけで、非常につらいと言えば辛いんだけど、その欲求不満を少しでも埋めてくれているのはやはり夢なのであって、先程私は「夢ぐらいで僕は満たされない」と書いたのだけど、前言は撤回させて頂いて、やっぱり夢はいいと思う。少し虚しいこともあるけど。
 あややのラジオを聞き逃した水曜深夜に見た夢。まず私が夢の中でハッと目を覚ましますと、代ゼミの大教室、周りには女も男も入り乱れて存在していて、どこかで見たような首輪をつけている。突然教室の扉が開くとビートたけしが入ってくる。私は「もしや」と思って身を固くすると、たけしはゆっくりと口を開く「これから皆さんに乱交をしてもらいます」呆然とする俺達。呆然とした一瞬の沈黙の後、早くも状況を理解したデブス女子が突然立ちあがると叫ぶ「いや!そんなの絶対に嫌!」俺達もお前なんか嫌だよと思っていたら、たけしがそのデブス女子をピストルで撃ち殺す。男一同から湧き上がる拍手。そして始まる乱交パーティー。僕の前の席には、同じコースのちょっと長瀬愛ライクなちっちゃくてかわいい女の子が座っていて、私はその子のことが性的に好きなんだけど、隣のちゃらちゃらした髪の色の男が彼女にちょっかいを掛け始める。彼女もそれは別に嫌そうじゃなくって、どんどん脱いで行く、ジャケットを脱ぎ、シャツを脱ぎ、パンツを脱ぎ、ブラを外し(乳首はもちろん薄桃色)、パンティーを脱いで、アンアンとか言ってやがる。俺はその状況を見て腹が立つぐらい興奮していたんだけど、悲しいかな周りは乱れに乱れて乱交に興じているというのに、僕はその状況を見ながらひたすらにオナニーをしていた。夢から覚めて虚しくなった。夢の中でさえ僕はセックスできないのか。
 そして木曜深夜に見た夢。今度は川沿いで小学校の頃の女友達と戯れる僕。比率にすると5:1。女5に対して男は僕1人。その状況で行われる王様ゲーム。「1番が、4番の乳首にキス」高確率で俺は女友達の乳首を吸って行く。なんやかんやで色々とちょっとエッチなことをし終えると僕はムラムラと来て「2次会だ!」と叫ぶとその女5の内3を引きつれてゲームセンターに突入する。ゲームセンターよくある「これって誰がやるんだ?」みたいな中規模なカーレースのゲームのコクピットに女二人を座らせると、そこでレズプレイをさせる。俺はそれを見ながら脱衣マージャンしながらオナニーする。残った女一人はお菓子が取れるゲームでひたすらお菓子を取らせる。ちょっと寂しそうな顔してるのがかわいい。それが終わると「よしホテルだ!」というんでゲーセンを出て、町をうろつきまわる。俺は実際には童貞で、エッチな遊びなんかもしたことないし、女の子と街中で遊ぶ、なんてチャラチャラしたことしていない、というか「あんなもの不潔だ!」とかなんとか言ってやらなかったので、今は後悔しきりだけど、別に機会が無かったとかそういうわけじゃない、チャンスはいくらでも転がっていたのだけど、僕のこの人見知り癖というか恥ずかしがりがいけなかったのであって、機会はいくらでもあったのだ。そう思わなければやりきれない。で、現実世界では童貞の私が町をうろつきまわったところでラブホテルの場所は分からない。しょうがないから外でやろうか、というので最初の川沿いに戻ってくると、その時には連れていたはずの女3人はいなくなっていた。そこで俺は記憶をたぐりよせると、女は確かこう言っていた「私、包茎の人あんま好きじゃないんだ」そうか、ごめんね。虚しさのあまり目覚めると、喉が痛いことに気付く。俺は風邪を引いていた。飯田さんに「いいこいいこ」と頭をなでなでしてもらいたいと思った。