2013-01-01から1年間の記事一覧

お前これからどうすんの、という電話がかかってきた。もうよく分からないしわざわざ死ぬのもめんどくさいから親のスネを齧っていけるところまでいこうと思う、どうしようもならなくなったら誰かの助けを待って、その助けすら見込めなくなったときには自然と…

ダイアリー

電話で起こされる。時計を見ると10時前で、一瞬血の気が引いたのだが今日は何の予定もないはずである。出ると不動産仲介業者だった。これこれこうでなんちゃらかんちゃら、と早口で電話口の男がまくし立て、はい、はい、と答えて電話を切り、今のはなんの電…

好きなものは呪うか殺すかしなければいけないのよ

というような台詞が安吾の『夜長姫と耳男』という短編の中にあって、中にあるというか確かこの台詞で終わるか、終わりの間際だったように記憶しており、これが妙に好きで、なぜ好きなのかと言われると全然分からない。好きなものはいやあこれは好きだなあよ…

医者、爪を噛んでいる。MRI写真から顔を上げると「脳に腫瘍がありますね」と言った。「それは大変だ」「見ますか?」「見せて下さい」発光するホワイトボードみたいな奴にパシパシパシとそれを差し込んでいく。「ここに脳みたいなのが見えるでしょう」「はい…

「歳は取りたくないね」

大人が言うその台詞の意味がいつもよく分からなかった。小さい頃は単純に「歳を取ると死ぬからな」と思い、つまり大人が言うその台詞を「死にたくはないものだね」というものとして聞いていたのだけれども、子どもにとって歳を取るということはイコール誕生…

今日の会話

学内に喫煙所は二箇所しかない。大学院の建物にほど近い方の喫煙所で昼休みにタバコを吸っているとゼミの友人が来た。学校来てるんですね、と言われた。卒論は大丈夫ですか? 学校来てる場合じゃないんじゃないですか? という含みが感じられた。テストがあ…

日記

寝たのが何時ぐらいだったか思い出せない。3時か5時か6時だったか。それぐらいだった気がする。カーテンを閉めていたので夜が明けていたどうかも分からない。卒論を書いているつもりで何も進んでいなかった。ディスプレイに向かって呆然と時間を過ごし、この…

改稿

積極的なブスに言い寄られる夢を見た。口が臭い。肌が汚い。胸がでかい。それでも私は非常に徳が高く、高貴なので、だって彼女も人間だもの、「いや、間に合ってるんで」「そういうつもりじゃないんで」婉曲にごまかしていたところ、行動力のあるバカが余計…

積極的なブスに言い寄られる夢を見た。口が臭い。肌が汚い。胸がでかい。それでも私は非常に徳が高く、高貴なので、だって彼女も人間だもの、「寄るんじゃねえよブス」などと一蹴できずに、「いや、間に合ってるんで」「そういうつもりじゃないんで」と婉曲…