あややと南海キャンディーズとごっちんとナイナイ

 水曜日のあややオールナイトニッポンには南海キャンディーズが来ました。30分ほど聴くとこれはあかんわと思ってラジオの電源を落としました。しかしだからといって寝るわけでもなくて、悶々とちんこをいじっていたのですが、水曜深夜に起きているのにも関わらず、あややの声を聴いていないという状況は私にとってあまりにも不自然な状態なので、2時過ぎになって再びラジオをつけました。野太い声のね〜え?が流れていて、僕は放送局を間違えたのではないかと思ったのですが、ラジオはしっかりと1350kHz、RCC中国放送を指し示していました。よくよく聴いているとそれはしずちゃんの歌うね〜え?でした。あややは唐突に「ああもう!聴いてられない!」と叫ぶとしずちゃんのボーカルに被せて、飛びきり上等な歌声でね〜え?を歌い始めました。山ちゃんはしずちゃんのボケが次々とあややに潰されることに焦っていました。山ちゃんはしずちゃんのね〜え?を「リスナーに対する罰ゲーム」と称しました。あややは「ナハハハ」と笑っていました。その笑い声が残酷だと思いました。しずちゃんは「どうだった?」と甘い声で山ちゃんにささやいていました。山ちゃんは「地獄からの雄叫び」としずちゃんに言いました。あややはまたしても「ナハハハ」と笑いました。しずちゃんは甘ったるい声で「そう」と言うと、黙りました。僕は「ああ、しずちゃんは泣いているのだな」と思いました。あややは「ナハハハ」と笑っていました。南海キャンディーズのネタをこりゃすげぇ面白え!と思ったことはないのですが、私は自分が南海キャンディーズをかなり愛していることを知りました。あややの無責任さに少し腹が立ちました。あややは段々なっちに似てきていると思いました。
 南海キャンディーズが帰った後、あややは「来週はごっちんが来ます」と言いました。私はその「来週はごっちんが来ます」という言葉を数度シャドウイングすると、「来週はごっちんが来ます」と小声で呟きながらそのフレーズを紙に書きなぐりました。来週の水曜日までは絶対に死ねないと思いました。私がそのように生きる意志を強固にしていると、続いてあややは歌うように「明日はごっちんがナイナイさんのラジオに出るから聴いてあげてください」と全てのリスナー及び、ごっちんに対して酷く高圧的な態度を取りました。僕は先っちょから少しカウパーが漏れるのを感じました。「ごっちんが明日のナイナイのラジオに出る」という事実とあややの女王様的な態度に私の本能は鋭く反応したのでした。その感動に打ち震えながら、このあややオールナイトニッポンの最大の聴き所である「ほなねー」を待っていると、あややが「ほなねー」と言う前に、RCCの「3時だよ」的なジングルが始まってしまいました。僕は唖然としました。あややの「ほなねー」無しに、今日一日どうやって生きていけばよいのだろうかと思いました。私は先ほど「来週はごっちんが来ます」というフレーズをしたためた紙を手に握り締めると、そうだ、来週はごっちんが来るんだ、こんなところでへこたれていてはだめだ、と強く念じました。それでも心がどうしても弱くなってしまったので、私はその握り締めていた紙に「明日のナイナイのオールナイトニッポンごっちんが来る」というフレーズをガツガツと書きなぐると、それをギュッと強く握り締めました。明日もごっちん明日もごっちんと念じているといつの間にか私は眠っていました。
 木曜日は上の空で授業を受けました。今日はナイナイのラジオにごっちんが出るんだ。そう思っていると授業はあっという間に終わりました。家に帰ってからも今日はごっちんが出るんだと思うとご飯もおいしく感じられました。それから8時には一旦眠りにつきました。12時半に目覚まし時計をセッティングしました。母上に「今から仮眠を取るから12時半までには必ず起こしてくれ、いいか、必ずだ」とお願いしました。母上は「がんばるんだね」と優しい笑顔でそれに応えました。私は罪悪感に包まれましたが、ごっちんのためにはしょうがないのだと割りきることにしました。仮眠を取ります。目覚ましや母の助けも必要無く、無事に私は12時には目覚めることができました。ごっちんの力というものを、私は電源の入っていないラジオから感じました。僕はごっちんをまるで自らの肉親のように愛しているんだ。12時から、心の片隅にひっかかっていた罪悪感を和らげるために速単を音読しました。丁度26番目の文章の冒頭「アメリカンアンドジャパニーズカスタムズ」を読んでいる時に母上が部屋に入ってきました。母上はまたしても優しい微笑みでもって「頑張ってるんだね」と言いました。僕は日本語発音で「シームトゥービーベリーディファレント」と言うと極めて明瞭な発音で「Yes,I did.」と母上に向かって言いました。母上は特に何も言わずに部屋を出て行きました。僕はごっちんアロハロを本棚から取り出すと、最初の数ページの水着姿のごっちんをまじまじと見つめました。このごっちんがナイナイのラジオに来るのか、やっぱりパンティは薄いブルーなのかな、やっぱりラジオとはいえメイクとかするんだろうな、やっぱりラジオとは言えホットパンツ履いたりするんだろうな、ていうかナイナイに下ネタでいじられたりするんだろうな、この水着を着たごっちんがまんぐり返ししながらペッティングとか言わされてたら俺は一体どうしたらいいのかな、やっぱオナニーかな、オナニーだよな、などと思ってとりあえず12時45分頃にウォーミングアップとして軽くカウパーをしたたらせておきました。
 1時になってナイナイのラジオが始まりました。私はいつごっちんが出てくるんだろうと身を硬くして聴いていました。ナイナイは延々と高校の頃のサッカー部の仲間がハゲて来ていてショックだというような話をしていました。僕はあまりのもどかしさに気が狂いそうになりました。女王様に焦らされる感覚が少し分かったような気がしました。1時半頃になってようやくごっちんが登場しました。ごっちんのボイス一つ一つが全て、エロ画像数枚分に匹敵するようなエロさを孕んでいました。ごっちんが矢部のことをロレックスと呼んでいました。ジェンガジェンガジェンガジェンガなどと、アンガールズのようなこともしていました。全てのごっちんがいとおしく、エロスでした。ごっちんは2時半までダラダラとナイナイとトークを続けていました。ごっちんがいなくなる2時半まで、私の全身は一種の性感帯のようなものになっていました。ごっちんの何気ない息遣いから何から何まで、私を欲情させました。ごっちんがいなくなってからも、私はごっちんトークの内容や息づかいや、今や私の目の前で生々しい肉感を伴って見えるごっちんの姿に触れながら、ものすごい、これは本当にものすごいと形容して差支えがないと思うのですが、本当にものすごいオナニーをしました。今までの全人生をかけたような壮絶なオナニーでした。数ではなく、時間をかけ、質を追求しました。延々と続いた右手のピストン運動の果てに、やっと発射し終えると時刻はすでに4時半でした。僕はそれからとろけるように眠りました。ベッドの脇にザーメンティッシュごっちんアロハロを放置したままで。