セットストック'05

 24日、第二日目の方へ行って来たので、レポートを書きます。まず朝起きて風呂に入って家を出て高速に乗ると大体一時間で国立備北丘陵公園の近くのICに到着しましたが、同じようにセットストックを目指す車で渋滞しており、30分ほどかかってその渋滞を脱出し、チケットを見せて備北丘陵公園に入ると「最後尾に並んで下さい」と係員に言われる。私は一瞬ここが会場だろ?と思ったのだが、公園全体が会場なわけではなく、公園の一部が会場になっているということで、その会場に入るために並ばねばならないのだと言う。私はほうほうと頷いてとりあえず最後尾へと歩き始めたのが、5分歩いても最後尾が見えない、どうなってるんだ、これはループしているんではないかなどと思い始めて10分後に最後尾が見えてとりあえず安心するが、これから今歩いて来た分をそれ以下の速度で戻って行かなければならないという事実に気付き、漠然とした不安を感じる。今日の太陽光はやたらに照りつけた。私は半袖半ズボンという井出達だったので、肌がチリチリと焼ける思いがした。どうにかして50分ほどかけて会場に入ると、もう既に前座のバンドであったRADWIMPSとBACKLASHという2バンドは演奏を終えていたのだが、そんなバンド知らないからどうでもいいや、という失礼な感想を抱いてビールを買う。アラブ人から「アリガトコザイマス」と片言の日本語でお礼を言われながら300円を払う。アサヒスーパードライ。温くて飲めたものではなかったが、泣く泣く飲んだ。近くにあったDHCの店がミネラルウォーターを100円で売っていたので、それを一本買って、温いビールのことは忘れた。温くてもやはりビールはビールだったので少しだけ酔った。
 ところで、最後の前座バンドはキャプテンストライダムだった。なんとなく気になっていたバンドだったので、フライドポテトなどを買って食べながらチラ見したが、どことなく頼りない若手バンドだった。アジカン未満だという感想を抱いて、それ以上見るのは止して、オレンジレンジのために席を取った。ここで説明しておかなければならないのだが、会場にはステージが2つあって、交互にバンドの演奏がある。それは恐らく準備などの時間短縮のためなのだろうが、そのような機能的な意味とは別にもう一つ意味がある。WEST STAGEは一般的には売れていない、又は新人バンドが演奏するステージで、小規模。一方でEAST STAGEは何かヒット曲がある、いわゆる売れているバンドが演奏するスーテジで、大規模。そのような違いがある。それだからもちろん前座の演奏は全てWEST STAGEで行われ、オレンジレンジのような売れているバンドはEAST STAGEで演奏する。とにかく、キャプテンストライダムがイマイチだったのでオレンジレンジのためにEAST STAGEの後方に席を確保し、寝転んで時が来るのを待った。その間にも容赦無く太陽光はガンガンと私の肌を突き刺したので、私はタオルを頭に被ってうんうんと唸りながら暑いなぁと思った。暑いなぁ暑いなぁと呟きながらゴロゴロしていると、RCCアナウンサーの青山さんが前説として登場したので、私はちょっと置いておいた眼鏡を掛けようとしたのだが、つるの部分が持てないぐらい熱くなっているのに気付いて、やっぱりこれは異常な熱さだなぁとまた思った。青山さんは無難に客席を盛り上げると「オレンジレンジー!」と紹介した。オレンジレンジの前に何か修飾語句が付いていた気もするがそんなことは忘れた。それでいよいよオレンジレンジが登場するのか、俺はかの有名なオレンジレンジをこの目で、生で見るのだなと思うとドキドキしたのだが、なかなか出てこなかったのでまた私は暑いなぁと呟いて、団扇で自分を扇いだ。扇いでも一向に涼しくならなかったが、扇がないよりもマシだと思ってやっぱり扇いだ。するとオレンジレンジが出てきた。一曲目は知らない曲だった。音が悪いなと思った。最初のステージだったので、野外フェスってのはこんなもんなのかと思ったのだが、今思うとあれは単純にセッティングが悪かったのだと思う。続けて何曲か演奏したのだが、大抵シングル曲だったので、オレンジレンジをあまり好いてはいない私でも分かって、それなりに面白いものだなと思った。でもラストに「花」とかやられると失望してしまうなあと、不安な気持ちでいるとそんな野暮なことはせずに、最後はキッチリ上海ハニーで客席を盛り上げて終わった。一日の最初を飾るのには相応しい人選だったのではないかと思った。しかしキリキリマイは何度聴いてもいただけないと思った。
 次はWEST STAGEで、スパークスゴーゴーのステージ。スパゴーはスピードマスターベイベーェーェー♪という曲しか知らなかったので、半分不安な気持ちで見ていたのだが、キャリアが長いだけあって、それなりの演奏をしているように思った。スピードマスターベイベーェエー♪という曲もやった。いいじゃねえかスパゴーと思ったけれども、全てを見終わった今となるとやっぱり微妙なバンドだなスパゴーと思った。次はEAST STAGE、ドラゴンアッシュだった。ドラゴンアッシュらしくバラードっぽい静かな曲からそのステージは始まった。私はキザだな、やっぱりドラゴンアッシュは嫌いだな、と思ったのだが、ステージで踊りまくるダンサー二人の振りがあまりにもぴったりあっているので感心した。2曲目はファンタジスタだった。これはすごかった。ドラゴンアッシュってやっぱすげーなと思った。ステージ後方はオレンジレンジでは嘘の盛り上がりを見せていたのだが、ドラゴンアッシュファンタジスタでは本気の盛り上がりを見せているように思った。というか、単純に私がファンタジスタに興奮した。恥ずかしながらタオルを短く持って、高速でグルングルンと振った。会場中がタオルをグルングルンと回していた。それは実に壮観だった。やっぱりドラゴンアッシュすげーと思ったが、その後全然知らない曲を何曲か続けてやったので、でも所詮ドラゴンアッシュだよなと思い、しかしその後メディアソメディアサウンチャラカンチャラナンチャラウンチャラベイーベ♪とかいうサビの有名な曲をやったのでまた興奮した。結論としてドラゴンアッシュはやっぱりすごいのだなぁと思った。でもMCはキザすぎるのでやっぱり好きにはなれないと思った。「平和と愛を思ってこの曲をやります」それはU2しか言っちゃだめだ。
 次は再びWEST STAGE、斎藤和義だった。斎藤和義は歩いて帰ろうと歌うたいのバラッドしか知らないのでどうだかなぁと思っていたら、一発目にやった渋いリフのジミヘンのような曲からしてやられた。斎藤和義はテレキャスを使っていた。鈍くて渋い良い音がしていた。ここらへんでオレンジレンジはやっぱりセッティングが悪かったんだなということに気づき始めた。何曲かエレクトリックでクールな斎藤和義を見せた後で、アコギに持ち替えて歌うたいのバラッドをやった。イントロを弾き始めた時点で観客がフォー!とハードゲイのような声を上げたので、私も負けずにファー!とゴルフのような声を上げたら、隣に居たお姉さんに露骨に嫌な顔をされた。そういえば斎藤和義のステージを近くで見ていた観客の大半は女の人だった。私はなんとなく場違いだった。私の前方に居た女の子二人組が歌うたいのバラッドで泣きそうになっているお互いを「私もうダメかも、泣くかも」「え、私も」など言って自慢し合う、という信じられないような光景を見ながら、素朴に私は斎藤和義もやっぱりすごいなぁと感心していた。この時、スパゴーはやっぱり売れないよなあれじゃと思った。斎藤和義のステージが終わると走ってEAST STAGEへ向かった。次は民生のステージだった。なんとかして前方の席を確保したかったのだが、案外簡単に確保できて、少し拍子抜けした。しかし前方でレジャーシートを使うのは勘弁して欲しいと思った。民生のステージは一言で言ってしまうとダメだった。ダメというのは民生本人が悪いのではなくて、一曲目からギターの調子がおかしくなり、ブツブツッとまるでシールドの接続が悪いかのような音を出していた。それでも構わず二曲目に突入し、ギターの音が完全に出なくなって、キーボードがソロを引いて間を伸ばしている間にギターを換えて「じゃ、一番からね」ということで再び曲を開始した。私はそのようなユルさは好きなのだが、ファンでも無いのにこのステージを見た人はダメだなぁと思うのではないかと思った。民生は3曲ほどやり終えて「時間が無いです」などとブツブツ言って4曲目に入った。これもなんだか少しグダグダっぽかった。民生は最近エフェクターに凝っているらしい。ゆらゆら帝国のようなことをして遊んでいた。私は民生のすることは全肯定するのだけど、このエフェクター遊びはちょっと民生らしくないじゃないか、と思ったりした。民生は「暑いので、爽やかなゲストに登場してもらいましょう」と言った。驚いたことに、木村カエラがいきなり登場した。生で見る木村カエラは超絶にエロスであり、かわいかった。「どうも、カエラです」と登場したカエラは民生バンドの演奏でリルラリルハを歌うと「どうも、カエラでした」と言ってすぐに引っ込んだ。それから二度とステージに姿をあらわさなかった。私はあれだけのために東京から来たのだろうかと思うと少し寂しい気持ちになった。もっとカエラを視姦していたかった。民生はカエラが帰ると「またむさくるしくなりましたが」と前置きをして後数曲演奏した。民生は結局自分のシングル曲は一曲もやらずに終わった。私はニヤリと笑ったけれども、ファンじゃない人からするときっとなんじゃこりゃというステージだった。
 WEST STAGE、salyu。これは遠方から座って見た。salyuは笑うとほんの少しだけ宮崎あおいだと思った。この人の曲と声は良いと思うのだが、如何せんライブだとあまり音程が良くないのが気になった。その分だけエモーショナルだという風にプラスに捉えることも可能だが、UAには遠く及ばないなというのがその感想でした。でも、to youって曲でちょっと泣いた。salyu、かわいかった。スペシャ中学では全然かわいくないのに。続いてEAST STAGEはバンプだったのたが、その次のWEST STAGEがROSSOだったので、バンプとROSSOをどちらも中途半端に見るか、それともバンプを捨ててROSSOを超良いところで見るか、ということを考えると、ROSSOに興味は無いと言っても生チバを間近で拝みたいという願望がやっぱりあったので、バンプを捨ててROSSOに全力を傾けることにした。その結果、ステージ中央、前から2列目あたりというグッドポジションを確保し、私はよっしゃー生チバを見まくるぞと思っていたのだが、いざチバが出てくると私の隣に居た清楚なお姉さんは「キョャヤーアァー!」という奇声を発し「チバー!!」と野太い声で叫んだので、チバの登場よりもそのお姉さんの痴態に興奮してしまった。そうこうしている内に私の居るところの周辺は完全なモッシュピットになってしまっていて、あれセットストックはダイブとかモッシュは禁止なんじゃなかったけ、と思ったのだが、背中におっぱいを押し付けられたり、自分の陰茎が知らず知らずの内にうら若き乙女の尻の割れ目にはさまっていたりしたので、いやーモッシュって最高だよねという気分になって不必要に暴れまわった。どさくさにまぎれておっぱいとか尻をもみしだき、アナルに指を入れてようかなということも考えはしたが「18歳浪人生、セットストックモッシュピットに紛れ痴漢、禁固6ヶ月の処分」とかになったら目も当てられないのでぐっと堪えて、とにかく背中のおっぱいの感触や、自分の陰茎が女の子の尻に当たる感触を得ようとやたらめたらに激しく移動しながら飛んだ。胸ポケットに眼鏡を入れていた事なんてすっかり忘れていた。チバが「バイバイ」と言い、皆が不満そうに「アンコール」を唱える中、私は必死になって無くした眼鏡の行方を探したのだがついに破片すら見つからなかった。私は母親に「眼鏡を盗られた」という言い訳をしようかどうかということを考えたのだが、女の子のおっぱいの感触や尻肉の感触を思い出すと、嘘なんてつくもんじゃないよな、としみじみと感じたので、正直に女の子のことばかり考えていて眼鏡を落としましたと言おうと思った。まだ言ってない。ドキドキもんだと思う。チバがした唯一のMCは「モ、モミジってさ、ハ、ハッパなのかな?それとも木なのかな?」私は別に何も思わなかった。
 EAST STAGE、トリはウルフルズだった。ウルフルズは本当にすばらしいバンドだと思った。適材適所というか、本当にトリのウルフルズは最高だった。かわいい人、ガッツだぜ、あたりの有名曲の盛り上がりは本当にすごかった。しかし、最後の最後にいい女を持ってくるところが実にウルフルズだった。私はそんなウルフルズが大好きなのでした。最後に花火がたくさん打ち上げられた。キレイだった。この花火をののたんとれいなにも見せてあげたいと思った。