にげるんだ

 最近高橋がミキティに似てきた。あれミキティ痩せたかなと思うと高橋だった。いい尻をしている。ミキティを見るとこれは確実にミキティだ、と分かるのだが、高橋を見るとしばらく見ていてもこれは高橋なのかミキティなのかということをしばらく悩んでしまう。悩むという時点で前述の通りそれは高橋であることは間違いないのだが、やはり悩んでしまう。高橋は貫通したのかも知れない。それとなく「愛ちゃんはさあ、処女なの?」と訊いてみるのだが、高橋はNAHAHAと笑って何も答えようとしない。処女ということはないだろうと思うが、肯定も否定もしないところに私は望みを懸けることができる。高橋と繋がりの深いガキさんに対しても「高橋は処女なのかそうでないのか」ということに関して根掘り葉掘り訊いてみるのだが、ガキさんは眉をしかめて「愛ちゃんは宝塚にしか興味無いですよ」と言うばかり、それによって私はより一層高橋が処女なのかも知れないという望みを繋ぐことができ、明日も元気に生きていこうかなという気持ちになる。高橋に関して気持ちがおさまると今度はミキティのことがもやもやと気になりだしてくる。こっちの場合は確実に処女ということは有り得ないと分かり切っているから、処女か非処女かという問題を飛び越えて、今度は一体ミキティの初貫通相手はどんな男であったのだろうか、ということに注目せざるを得ない。私はミキティに対しては極力婉曲な手法を用いて「初エッチはどんな感じだった?」という主旨のことを尋ねるのだが、話が少しでも性的な方向へもつれ込もうとすると途端に不機嫌な顔になって「うっせーんだよどっかいけよ」とものすごい目をするので、その度に私は後悔し、ミキティに性的な話題は振るまい振るまいと思うのだが、一旦話につまれば性的な話題を出す他ないのだから、ついつい何故包茎はすぐにちんかすが溜まってしまうのかという比較的ソフトな話題を選んで語り出すのだが、やはりミキティはすぐにものすごい目をして罵詈雑言、その熾烈な言葉を浴びるのがミキティのおまんこを見るのよりも興奮する。ミキティに頚動脈を噛み切られるならそのまま喜んで死ぬと言いたいが、死ぬのは嫌なので私はミキティの耳たぶをあま噛みする。ミキティは耳が性感帯。熱い吐息をバターにまぜてレーズンパンに塗りたくって、それをこんこんのほっぺたに擦り付けながら、れいなと一緒に雪見大福を食べながらお月見。「うさぎさんがお餅をついてる」とはしゃぐ私をれいなが「違うでしょ、あれは猫でしょ」とたしなめて、更にそれをさゆが「違うの、あれは絵里なの」と訂正し、えりりんはヘラヘラしながら現に月の表面でお餅をついている、こんこんはいい加減にミキティの吐息入りのバターが塗りたくられたレーズンパンの香ばしい良いニオイにたまらずそれをペロリと平らげ「完璧です」と言ったのはガキさんこと新垣里沙、私は「よしみんな、お年玉をあげるぞ」と言って吉澤から順にお年玉を渡して行く、吉澤は「やったー!500円ゲットー!」と言って喜び、さゆは「さゆの方が多いの、60円なの」と進言し、れいなは「2000円しか無いと」と消沈し、小春はお年玉の袋を開けようともせずに「やったー!お年玉だー!」とお年玉の存在自体に歓喜し、えりりんはまだ月で餅をついている。そこにカオリンこと飯田圭織が現れて、私にお年玉を賜り、私はそれを受け取り申し上げ奉り、そのお年玉でベスト電機に行ってスーパーヴァイブレーションを買ってきて、それを飯田さんの寂しい夜にプレゼントするが、カオリンは首を横に振って「いらないわそんなの、カオリは指でイクから」と頼もしいお返事。私はそうですかそれは野暮なことをしてしまいましたと照れながら頭を掻いて、未だに月面で餅をついているえりりんにそれをあげようと密かに画策するも、さゆとれいなに見つかりその計画は破綻。私はその二人の姫初めに付き合わねばならず、やれやれ全くだぜとため息をつくが内心ワクワクドキドキで、じゃあ2時間コースで!と大声で叫んでシャワーに入り、玉袋と竿を洗った後に、包皮を剥いて2日間の溜まった恥垢を落とし、その恥垢を指先で集めてボール状にして5分ほど指先でこねくり回しているとモッツァレラチーズになったので、これはさゆの分!これはれいなの分!とそのチーズを公平に配分し、自分のその配分的正義の徹底さに惚れ惚れして、シャワーを出ると西きょうじのポレポレをやって、でもなんだか西きょうじに嫌気が差したので伊藤和夫の英文解釈教室をやっているとお待たせしましたーと稲葉貴子と書いて「いなばあつこ」と読む歌とダンスの上手いおばさんと日本のメグライアンこと中澤裕子さんがやって来て、私はその二人に「初めてなの?」「はい、iPodはnanoの3Gです」と言ってスベり、中澤さんにつまらんのじゃお前は死ねやドアホと罵られながら陰茎を手酷くシェイキングされたので、ああごめんなさい本当にすいませんでしたと言っている内に夜が明けたので義務のように射精し、自分で精液の処理をしながら月面にいるえりりんに思いを馳せ、元々はカオリンのために買ったはずだったスーパーヴァイブレーションを己のアヌスに突き込み前立腺を刺激していると、一切衆生悉有仏性という心持になってドライオーガズムを果たしたところをれいなとさゆとえりりんに見られて、俺の一生もここで終わりだと思い、心にののたんを抱きながら割腹自殺を遂げようとして、カッターナイフでへその下のギャランドゥを剃ったら眠くなって、ののたんの陰毛を剃る計画を虎視眈々と練りながらジッポライターのオイルを鼻の下に塗ってから寝たら良く眠れた気がしたけど、朝起きると疲れていたからやめた方が良い。