しかしながら

 僕の抱きしめていたモーニング娘。というのは、まだテレビがメインメディアで、コンテンツに力があって、茶の間で俺はMステが見たいんだ!私は世界まるみえが見たいの!という喧嘩の元であって、ネットはテレビの中のことについてあーだこーだいうものでしかなく、ネットにコンテンツなんてほとんどありゃしなかった頃の時代に、ASAYANと連動して生まれてきて育っていったモーニング娘。を構成する諸個人のべったべたに作りこまれた人間性やらドラマやらを眺めていて、それをあーだこーだ言う場として羊があり狼があり鳩があり、そこから派生した娘。小説とかいうものがあってm-seekがあって、テレビ番組とほぼ完全に連動していたアイドルだったからこそそういう二次創作があり、今のモーニング娘。ハロプロにその面白さがあるか、つーとほとんどない。現場主義、みたいなことになっていて、現場で見れるのはステージの上の彼女らで、そこからはパフォーマーとしての彼女らの顔しか分からないし、イベントだなんだと言ったって、テレビ番組に出てるモーニング娘。を始終見ているのとは訳が違うんだよ!俺の抱きしめていたモーニング娘。の集大成はやっぱり2005年の紅白で、そこから一歩も踏み出すことができないことが狂おしいまでに悲しく、現行のあまりにも整然と素晴らしいモーニング娘。buono!を見たって僕やいわゆる黄金厨とか言われる人々の悲しみは深くなるばかりだけども、なんとか、なんとなく、希望に満ちた目でそれを眺めるしかしょうがないから、NINE SMILEをずっと見ながら感傷的になる。