ええ女

 今日も私は友達がいなくて寂しい一日を送ったのだが、昨日も申し上げたように常に最低を考えて、全ての事象を想定の範囲内においていて、一見卓越しているかのように見える私とて友達がいない状況にただ甘んじているわけではない。今日は一つ勇気をふりしぼって、隣に座った女でも男でも、性別に関係なく声を掛けて友達になろうと思っていたのです。どちらかというと私は積極的に女の子と仲良くなりたいので隣に女の子よ座ってくれと思いながら速単を読んで、未来の私の友の到来を待っていたのだが、生憎なことに私の隣には男が座った。言ってなかったかも知れないから言うが、私の所属するコースには男が3人居て、それは私と、根暗そうな男と、ちょっとオシャレなナイスガイという3人から構成されているのだが、今日私の隣に座ったのはそのちょっとオシャレなナイスガイだった。で、ついでだから女の子の話もしておくのだけど、女の子は2人か3人、多分2人だと思うのだが、女は魔物だから顔とか服が変わると印象がガラリと変わってしまって、感覚的には3人いるような気がするんだが、まあ多分実際には2人だろうと思う。で、それは私と小学校が同じという話のちっちゃくてかわいいどことなく長瀬愛に似てるような雰囲気を醸し出している女の子と、雰囲気がかわいい女の子の2人からなっている。まあそれはとりあえずおいておいて、とりあえず私の今日の目標は隣に座った奴に性別を問わず話し掛けるというものなので、とにかく話し掛けようとタイミングを伺った。ここで俺は色々とシナリオを考えてはいたのだが、そのシナリオは基本的に対女の子用に考えていたもので、男には使えないような代物ばかりだったので、まあ例えば「いつも思ってたんだけど、腰のところからうっかりパンティーが見えてますよ」「まあっ、恥ずかしい、教えてくれてありがとう」「いえいえ、礼には及びません、ところで今日お弁当一緒に食べませんか?」「是非」こんなのばかり考えていたので、まあ男には到底使うことのできないシナリオなのです。だから、私は速単を見ながら考えに考え抜いた末に「唐突ですまんけど、去年はどの大学受けた?」と妥当な話し掛け方をしようと決意し、横目でチラチラとそのナイスガイの様子を探りつつ、無駄に背もたれに背中を預けたりしながら、その時を待っていたのだが、私はこのようにゼロからの友達作りというものに実に慣れていないので、どうしてもタイミングが掴みにくいわけです。それでもうこうしていても埒があかないので、どうにでもなれ!という気持ちで「ねぇ」と言って左を振り向いたら、その途端にそのナイスガイは席を立って教室を出て行ってしまったのです。俺って嫌われてるのかな。そう感じずにはいられない、まるで出来の悪いコントのような体験でありました。そういえばコントと言えば先日、私は面白くも無い日曜正午のテレビ番組を流し見していましたらば、父上が突然「うわっ」と叫んだので何事かと思ってそちらを見やりますと、父上はカップやきそばUFOをしっかりと握り締めて硬直しておりました。もう予測はつくでしょう。父上はお湯を切る前にソースを入れてしまったのです。こんなの今更コントのネタにもならない。でも実際に「やってしもうたー」と言いながら、UFOのお湯きり口から真っ黒い汁をドボドボと捨てる様子を見ているとおかしくてしょうがないのです。だから、ここから論理がドカーンと飛躍するのですけど、モーニング娘。なんてブサイク集団だ、などと申す人がよくいらっしゃいますが、実際に見たら絶対超かわいいと思うよ、ということに話を持って行きたかったのです。さゆみんとかれいなとか、別に付き合ってくれとは言わないですけど、間近でパンツぐらい見せて欲しいと思います。