三島由紀夫『豊饒の海』

 高2高3の頃にニ巻までは面白い面白いと読んでたんだけど、三巻に入ってから情景描写や輪廻転生に関する東西思想の比較・考察とかが多くなってきて、ちょっと辛いなぁと思って途中で読むのを止めていたのだけども、国公立古典の先生が「豊饒の海のラストはすごいのよ、私は三島由紀夫って大体読んだけどなんかただ上手いだけって感じで心には残らなかったんだけど、豊饒の海は違う、読んだらきっとすごい読書体験をすると思います」と言っていたので、三巻を読むのは辛いがその「すごい読書体験」というものがしてみたくて昨日から無理矢理三巻を読み始めたのですが、最初のバンコックの情景描写の波を乗り越えれば意外にスラスラと読めて、うむなかなか面白いさすが三島由紀夫と思いながら読んでいたら、この物語の視点である本多(40歳半ば)がタイの7歳の王女様と遊山に行くーンがあって、この7歳の王女様というのが前の1巻の主役の清顕と2巻の主役の勲の転生であるらしいのだけどまあそれはおいておいて、その遊山に行ったシーンで、王女は途中で急に尿意を催すのだが、三島由紀夫ちゃんはここをこういう風に描写している。

 姫の尿意!これが本多に、痛切な可愛らしさの印象を与えた。子供を持たぬ本多には、自分にもし幼ない娘があったら、こうもあろうかと想像されることがみな概念的で、こんな突然の尿意のように、肉の愛らしさが鼻先をよぎって飛ぶことははじめてだった。彼はできることなら自分が手を貸して、姫の滑らかな褐色の腿を内から支えて、さしあげたいとさえひそかに思った。

 まず吃驚するのが「姫の尿意!」というフレーズ及びビックリマークなのだが、ここまでは非常に真面目に理屈っぽく姫の様子を「頬にふりかかった断髪のいさぎよい漆黒」などと分かるような分からないような描写しておきながら、突然「姫の尿意!」と感情の赴くままに筆を走らせている。「梨華ちゃんはうんこしないよ!」みたいな切迫した感情が読み取れる。そしてもっとすごいのが後半の「できることなら自分が手を貸して姫の滑らかな褐色の腿を云々」という文章で、少し遠回りに言ってはいるものの「腿を内から支える」というとどういう姿勢になるのか?と考えると、要するにしゃがみこんだ幼女のおまんこを直に拝む形で太腿を押し広げるという姿勢なわけで、それでおしっこをすると当然小便は顔にかかるわけで、それを「できることなら」というのだからそれはつまり希望であって、英訳するとI want toやI wishなどと同義なわけであり、全体を分かりやすく換言すると「おしっこ飲みたい!直接口を付けて飲みたい!」ということになる。
 そういうわけだから、この文章全体を分かりやすく比喩を用いたりして置きかえると「梨沙子ちゃんがおしっこしたがっている!無茶苦茶かわいい!モジモジしてる!僕には子どもがいないけど、僕がもし幼女のパパだったら、絶対娘のパンツとかクンクンしちゃうし、一緒にお風呂に入ったら『よし梨沙子、おまた開いてごらん、パパのスポンジでキレイキレイにしてあげるぞ』って言いながら僕の固くなった海綿体で未成熟なおまんこをゴシゴシしたりしちゃうだろうなって想像の上では思っていたのだけど、こんな風に突然モジモジしておしっこしたがってる様子を直接見るとなると、もうかわいくって仕方が無いよね。僕はできることなら梨沙子ちゃんのふとももを押さえつけて、広げて、その部分をマジマジと見ながら『ねえ梨沙子ちゃん恥ずかしい?ねえ?見られたら恥ずかしいの?広げるの禁止ー?ねえ?広げるの禁止ー?』とかいいながらおしっこが飲みたい!おまんまんに直接口を付けてゴクゴクと喉を鳴らしながら飲んでしまいたい!」ということになって、とんでもねえペドフェリアだなこん畜生キモイんだよ、などと思ってしまうのだけど、良く読んでみると本多はただ単に姫に対して「娘のような愛らしさ」を感じているだけのような気もしてくるのです。でも結論としては三島由紀夫ちゃんはとんでもなくエッチだということなのです。そして三島由紀夫の魅力はそこだと思うのです。「憂国」における美男美女夫婦の最後のセックスそして自決、「潮騒」における「その炎を飛び越えて来い」のシーン、そして三島由紀夫の始まりにして全てである「仮面の告白」における幼少期からの「たくましく発達した男の胸筋に感じる性的興奮」などの性癖。三島由紀夫の始めてのオナニーは「父のコレクションである西洋彫刻の写真集の隆々とした筋肉を持つ青年像をこっそり盗み見て、興奮してゴロゴロしていると股間に未知の感覚を感じた」いやらしいこと限りないのであります。余談ですが、大槻ケンヂの初めてのオナニーは「ウルトラマンが怪獣にやられて海に飛ばされ、その海に飛ばされたウルトラマンが海水でヌメヌメといやらしく光っていたシーン」そして私の初めてのオナニーは小学5年生のある放課後、隣のクラスのかわいい女の子がスカートなのに逆上がりをしてパンチラをしたシーンを思い出して。