私大模試

 昨日はゲイのスカトロ物のAVを見ながら3時間ぐらいかけて前立腺オナニーをしていると何時の間にか夜が明けていました。あれ?朝ってこんなに早く来る物だっけ?と思いました。前立腺オナニーは2時に始めたので、3時間というと5時です。5時にはもうこのような明るさになるのだということに一種の感動を覚えましたが、同時に不思議な焦りを感じました。夜が私の領土だからです。暗いと何でもできてしまうような気がするのです。小学校の頃おばけ屋敷に入るといつも姉のおっぱいを触っていました。おばけ屋敷から出てそのことを指摘されると、僕は小学生なりの医学知識を総動員して「(おっぱいではなくて)肩甲骨かと思った」と言ったのでした。以上のことは全て嘘偽りなのでした。でも朝になると本当に鳥がチュンチュンとさえずり、耳にうるさいのでした。
 ともかく今日は私大模試でした。大津皇子という人を覚えました。崇峻天皇の峻という漢字を覚えました。荏胡麻の荏という漢字に苦しみました。雀という漢字には注意が必要です。コウゴ年籍の籍の字を注意しすぎて誤ってクサカンムリで書いてしまいました。大輪田の泊の位置を間違えたことは一生の恥です。数学はどれが最小なのかに注意を払い過ぎて失敗しました。傾きは1/2だから純粋に原点を通るところで最小で良かったのです。何点減点かなと考えると切なくなりますがそれでも僕は心を強くし生きていきたいと思うのです。
 模試の帰り、私は玄関の前で同級生と溜まるようなフリをしながらある一人の娘を待っていました。玄関からその娘がジーンズにスカートという憎むべきフッションで出てまいりました。嫌に大きなリュックサックを背負っていました。きっとその中にはバイブが入っているんだろう?と自問自答しました。否。あの中には彼女の使用済み下着が詰まっている。私の脳髄はすばやく正確にそのような判断を下しました。私はもう止まらなくなっていました。不自然な形で級友に別れを告げるとその娘の後をそっと追いました。駐輪場で彼女が自転車のカギを開けたり閉めたりして「あちゃっ、今から帰るのに閉めちゃった、もう私ったらおばかさん!」みたいなことをしているのを想像して興奮していたのですが、駐輪場に着くともう彼女は居ませんでした。駐輪場に行くまでにすれ違わなかったので、きっと彼女は私の気配に感づいて逃げたのだと思いました。とても悲しくなりました。私はよぼよぼと自分の自転車のカギを開けると、ノロノロと坂を下りました。キキキーッとブレーキが鳴りました。まるで僕の心を代弁してくれるかのように、その音は長く、あまりにも悲しく響きました。少し元気を取り戻してキコキコと自転車を漕いでいると、シャツをダランと出し、ズボンを下げて、リュックをだらしなく背負ったバカそうな高校生と何人もすれ違いました。制服は制服らしく着ろと思いました。こうやって人間は型にはまった道徳的な人間になるのだと知りました。とにかくそのような高校生とすれ違っていると、同じ教室で試験を受けていた同じコースの青年が居ました。私はその方に敬意を払っているのですが、何故か今日は教室の中でずっとボウシをかぶったままだったので「部屋の中ではボウシぐらい取ったらどうだ」と内心思ってイライラしていました。しかし私には何も言えないのでした。夏なのだから脂肪ぐらい落としたらどうだ。そう自分に言い聞かせては泣きそうになりました。その彼を追い越して自転車を漕いでいると目の前に突然、追っていた彼女が現れました。私はドキッとして、自転車の速度を落とすとソッと近づいて行きました。匂いを嗅ごうと思ったのです。しかし隣に男が居ました。きっと彼氏なのでしょう。二人は楽しそうにダラダラと自転車を漕ぎながら「お前のアナルってピンクだよな」「あなたの亀頭だってピンクじゃない」「ハハハ」「うふふ」という快活な会話を交わしているのだろうなと思うと吐き気がしました。互いのケツの穴のシワの数まで知り合っている人間関係というものが童貞の私には到底理解できないものでした。二人は私が後ろを不自然に着いてきていることに気付いたのか、ペースを更に落とし、右側によりました。だから私もペースを落とし、右側によってみました。彼氏は何度もこっちを振り向きながら「どうぞ」みたいな顔をしました。好青年でした。彼女の方は僕の方を見ようともしませんでした。悔しくなってきたので私はその二人を追い越しました。私が追い越して、後ろをちょっと顧みると、すぐにその二人は右に折れました。そちらには山があります。私は頭に血が上るのを感じました。「これから二人は山でセックスをするんだ」そう考えるとこの怒りやら性的な興奮やら何やらわからない衝動は止めようがないのでした。私はこう考えました。
 「今から二人は山へ行く。山へ行ってセックスする。中出しする。たとえセックスしないにしても、肉棒を肉穴へ出し入れという行為は何らかの形で為されるはずである。その時、男はきっとコンドームを持たない。しかし女は準備が良いものだから当然コンドームを持っている。たとえオーラルセックスといえどもコンドームはしてくれ、という女からの意志表示、すなわち軽い拒絶を、男は袋から取り出したコンドームをミスを装ってわざと地面に落とす。地面に落として砂だらけになったコンドームを女の前に突き出すと、これを着けて大切な君の穴の中に突っ込むわけにはいかないな、みたいな顔をする。女は仕方が無いわね、という顔をして、もう一枚コンドームを取り出す。女は備え有れば憂い無しという格言を身にしみて感じる。男はダメな奴は何をやってもダメと呟く。女は口で男にコンドームをつけると、そのまま抜き差しの運動へ移行した。そして果てた。果てる瞬間に男はコンドームを外した。中出し。女は泣いた。男はごめんねごめんねと言いながら笑っていた。僕は木の陰でそれを見ながらオナニーをする」
 そこまで考えたとこで自分がいつもは通らない道を通っていることに気付きました。ここは何だと思うと自分がかつて通っていた幼稚園へ続く道でした。心理学的にいうとこれはどういう意味を表すのだろうかと思いながら、私はペダルを思い切り踏み込むと文房具屋へハンドルを向けます。赤ペンと青ペンが切れていたことに唐突に気付いたからでした。そして小学校の近くにある文房具屋の前に辿りつくと、店は閉まっていました。なんだか全ての希望を断たれたような気がしました。私は家に帰ると母親に赤鉛筆を貰ってそれで模試の自己採点をしました。反吐が出ました。英語なんてなくなれと思いました。モーニング娘。センターⅡBを受けようと思いました。