台風でれいなが飛ばされてしまわないか心配

 最近れいながあまりにも私に対して「おいお前」とか「キモい」とか生意気な口をきくので、確かに私はれいなのパンティで自慰をしますし、確かにキモイのだと思うのだけれども、そう何度もれいなからキモイキモいと言われると嬉しい中にも怒りというものが込み上げてきて、私は遂に爆発するとれいなを目の前に正座させる。するとれいなはミニスカートを履いていて、そのスカートと太ももとの間が最高だったのだけど、そんなことは実際はどうでもよくて、とにかく目上の人間に対する言葉遣いや態度というものがね、世の中では大切なんだよ、分かるかいれいな、と説教を垂れたのだが、れいなは正座こそし続けているものの目はあらぬ方を向き、ほっぺたをぷくっと膨らませて「そんなん知らんもん」みたいな口をきくので、私としては優しくネチネチとした説教だけで終わらせておきたかったのだけれども、鋭く荒々しい口調で「れいな!この馬鹿野郎!」とれいなの頬を張ったならば、れいなは私に叩かれた左の頬を押さえ、無言でスッと腰を上げて私を上からの視線で睨みつけると部屋を出て行ってしまったのだが、私はそんな目をするぐらなら始めから私を怒らせなければいいんだ、そうだ、れいなが全面的に悪いのだと必死に自己を正当化していたのだけれど、なんだか自己嫌悪というか「やっぱりれいなに悪いことしちゃったかな、いきなりれいなのかわいらしいほっぺたを叩くなんて、ちょっと野蛮すぎたかな」と反省し、れいなの部屋に行くとコンコンとノックして「あー、俺だけどさ。さっきはごめんね、れいな、本気で怒って殴ったわけじゃないんだ。ただね、俺は俺という自己がね、なんというかこうあれだよ、今風に言うとさ俺ってキレる若者なんだよ。あっ、あのね、誤解して欲しくはないんだけど、別に俺の頭はキレるんだぜとかいう自慢ではなくってね、もっとこう頭の悪そうなキレるという印象というかインプレッションというかね、それはつまりエレファントなわけなんだけれども、ていうかね、本当にごめんねれいな」とドアに向けて語りかけたわけなのだけど、一向に返事が無いのでこれはいよいよれいなは本格的に怒っているのだなぁと私は気付いたので「ごめんねれいな、ねえ、聞いてる?ドア開けるよ?部屋入っていい?自慰?今自慰してるの?いや、ごめん、なんでもない」と言いつつドアを開けると、そこにれいなはおらず、私は呆然と立ち尽くしてしまったのだけど、悪い予感がして玄関に向かうとれいなの靴が無くなっていて、れいなの傘も無い、嗚呼れいなは家出したんだ、と私は絶望し、自分の部屋に戻ると携帯と自転車のカギを持って、サンダルをつっかけるとすぐに家を出た。
 ものすごい暴風雨だった。私は自転車のカギを開け、サドルにまたがると必死にペダルを漕いだ。家を出て3分ほどでもはや傘は意味を為さなくなっていた。れいなの行く先は分かっていた。ののたんの家だ。れいなとののたんは何故か仲が良くて、しょっちゅうお互いの家を行き来するのだけど、というか言い忘れていたのだけどれいなは私の妹で、ののたんは私の恋人なのだった。そして私はビショビショになりながらキコキコと自転車を漕いでいたわけなのだけど、ふと気付いてののたんの携帯に電話を掛ける。私の携帯は噂のGショック携帯なので水なんかには全く動じない。プルルルルと呼び出し音が鳴って、すぐにののたんが電話を取る。「もしもし?どしたの?」というののたんの声を聴いて私は思わず頬を緩ませるのだけど、そんなことをしている場合ではない、私は気を取りなおして「あのさぁ、テレフォンセックスをしないか」とつい口を滑らしてしまうのだけどののたんは雨の音やらなにやらで良く聞こえなかったのだろうか「え?何?もう一度言って」と言った。私は俺は一体何を言っているんだ、今はれいなのことだけを考えろと自分に言い聞かせて、今度は大きなはっきりとした声で「れいながもしかしたらそっちに行くかもしれないから、来たらよろしくな」とだけ言って、電話を切った。ののたんは「え?え?」と言っていたがきっと分かってくれただろうと思う。私はもはや意味を為さなくなった傘をそれでもギュッと握りなおし、腰を上げて立ち漕ぎをしてののたんの家へ急いだ。傘が風を受けてバランスを崩しそうになる。その度に私は「ああれいなは今の風で飛ばされてしまわなかっただろうか」と不安に駆られて漕ぐ速度を速める。そろそろれいなに追いつくだろうと思ってもなかなかれいなに追いつかなかった。私は焦りと不安を感じた。結局ののたんの家の前まで来てもれいなとは会えなかった。きっとののたんの家に先についたんだろうと楽観的に考えて、ののたんに電話を掛けた。「もうれいな来てる?」と訊くと、ののたんは「え?来てないよ?」とだけ言った。私はきっとれいながののたんに「来てないって言え」と命令しているのだと思ったが、ののたんが嘘を付くと必ず語尾に「んふふふ」という笑い声が付属してすぐに分かるので、やっぱりれいなは台風で飛ばされてしまったのかも知れないと私は思って「そうか、ありがとう」と言うと電話を切った。ののたんは「れいなちゃんがどうかしたの?」と言ったがそれには何の返事もしなかった。ののたんを不必要に心配させてはいけないという私なりの配慮だった。れいなは台風に飛ばされてしまったのだ、それは俺のせいだと思いながら、雲が分厚く垂れ込めている空を見つめて、自転車を押して家へ帰った。空を見上げていれば、傘をもって空を浮遊しているれいなが見つかるのではないか、などいうメルヘンチックなことを考えていたのだが、そんなことはなかった。自分の家について、自転車のカギを閉めながら私は泣いていた。れいなが台風で飛ばされてしまった、と呟きながら泣いた。玄関を開けてもやはりれいなの靴と傘は無かった。私は濡れた身体をそのままに、ヨロヨロと自分の部屋へと帰った。と、れいなの部屋に明かりがついていることに気付いた。もしかしてと思ってれいなの部屋へ行くとれいなは部屋に居た。ドアを開けてれいなの部屋に入り「お前、部屋に居たのか」とボロボロ泣きながられいなに抱きつくと「部屋に入ってくんな、キモい、汚い、濡れるだろうが、ボケ」と言われたが、れいなの口から「濡れる」という言葉が聴かれたことに私は興奮して「れいな、れいなぁ、れいなぁああぁあ」と言いながら泣いた。隣の部屋から姉のごっちんが「うるさいわねー」と言いながら入って来た。れいなが「おねーちゃん、コイツキモい、助けて」と言った。ごっちんは「キモイねー、ホント、私は触りたくない」と言った。私はその言葉を聴きながら、思う存分に勃起していた。れいなが「もー、ホントキモい、死ね、どっか行け」と私の腹をグーで殴った。私は「ぐっ」とうめいて、その場にしゃがみ込んだのだけど、それは痛みでしゃがみこんだというよりも、射精してしまったからしゃがみ込んだという方が正しかった。僕はれいなの部屋で射精したのだった。その事実に気付くとあまりにも興奮したので、連続してもう一回射精した。一発目はれいなに、二発目はごっちんに捧げようと思った。