袖触れ合うも多少の縁

 前方から来る周りの事なんて何も見えていないようなカップルが腹立たしかったので幅寄せ気味に自転車ですれ違ってやると、僕のハンドルが女の子のカバンにひっかかってしまいどうやら破けたような音がした。思わず「すみません」と口走ったものの、女の子は極めて冷淡に「破れたし」とだけ言って冷たい目線で僕を見た。耐え切れなくなって僕はもう一度「すみません」と言ってその場から立ちコギで逃げた。逃げ出した後で沸々と腹が立ってきて、5000円ぐらいあのビッチのケツ穴にねじこんでくればよかったなとか、しかし僕の「ハンドル」が女の子の「カバン」にひっかかって「破けて」しまうというのはあまりにも暗喩的だなあということを思ったけれども目的地であるカラオケにたどり着いたためその思考はストップ。そうしたらカラオケの女店員の接客が最低すぎて今日で世界中の女がみんな嫌いになった。