フェラチオ小説第一話

 桜吹雪の帰り道、雨がしとしとと降っていて、4月なのに寒いねなどと言い合いながら、やたら幅広いくせに車通りの無い、北から南にずどんと一本突き通った大通りを闊歩していると、男と女の何やら卑猥な声が聞こえ、そちらの方を見る、と、女が男の股間で激しく顔を上下させている光景が目につき、「青姦とは頑張るね、この寒いのに」と僕が言うと、一つ傘の下、花見で先ほど知り合ったばかりの女、それは後藤真希なのだけれども、ごっちんは「ねえ、ほんとにねえ」と興味なさそうなフリで、ギュッとやたら硬く僕の右手を握り、「ああ、あそこに猫がいるよ」と耳元に声をかけると、ごっちんはまた「ねえ、ほんとうにねえ」と眠たそうな顔をして、頭を僕の肩に乗っけて、またギュッと僕の右手を握るので、俺はその度に射精しそうになった。