ああ制服の少女よ

 浪人時代というのはとにかくナンバガハロプロばかり聴いていて、その合間にXTCやマイルスなどをつまみ聴いて「よくわかんねえな」と思って、それでも折角レンタルしてきたのだから、CDをMDに一応録音して、着々と増えていく自身のMDライブラリを眺めて、ううんなんてとっちらかったライブラリだろう、ロック一辺倒とか、メタル一辺倒とか、ジャンルを一つに限定せずに、俺は森高千里からメシュガーまで、アイドル歌謡も、デスメタルも、ノイズも、ジャズも、クラシックも、時代の古い新しいものもない、全てを差別せず、音楽を平等に、ジャンルなんてものはバカバカしいものだ!色々聴いている俺はカッコイイ!このMDライブラリはカッコイイ!と自画自賛して満足する、ということを繰り返し、でも結局ラジカセに挿入されるのはナンバガハロプロばかり、omoide in my headシリーズを聴いて、それが終わったらセカンドモーニングを聴く。ダディドゥデドダディ!一回キリの青春!ウォーイェー!ウォーイェー!ウォーイエエー!その頃はまたダブルユーに血筋を上げていたので、ののたんののたん言いながらgive me upを聴いて、ののたんあいぼんと一緒に「ギブミーアップ!ウォーオオオ!」と歌って、でも目の前に山積するやらなければならない、覚えなければならない英単語など、うなだれて、覚えられるわけないじゃん、早稲田とか無理だよ、バカじゃねえの、そういうわだかまった不安や不満を、モーニング娘。の曲を聴いている間は、ほんのちょっとの3分間ぐらいは忘れていられるのだけれども、それが終わったら、どうしようか、生きていけないぐらいの悲しさや焦りというものがあり、ハロプロで現実逃避、ナンバガで怒りをノートにぶつけながら勉強するという具合で、でもomoide in my headiggy pop fan clubを聴くときは手を止めて、童貞であることの怒りや悲しみを腹の中でしくしくした。