大学受験国語

 受験のことを思い出したので書きます。現役の頃は完全に大学受験をなめくさっていて、模試受けてもまあ7割ぐらいは取れているし、校内での順位も平均よりやや上ぐらいだったし、バカだった先輩も普通に早稲田とかに現役合格していたりしたので、このままぼんやり勉強をするでもなくしないでもなく、まあこのままぼんやりやってりゃどっか入れるんだろう、というか絶対に入れる、と割と確信めいた心でもって、ほとんど受験生という緊張感もなく一年を過ごして受験したらものの見事に全滅した。そこで「あ、やっぱ勉強しないと無理なんだな、受験って大変なんだな、っていうかおれは受験生だったんだな」という当たり前の事実に気付いたというか、そんなことは知っていたのだけれど、全滅という事実を突きつけられてようやく腑に落ちた。
 だから全ての学校から不合格通知が届いた時には、表向き受験に失敗して心を痛めている風を装い、家族から妙に優しくされるなどされていたのだけれど、そうか、おれは受験生だったのだな! そしてこれから浪人生になるのだな! と妙に晴れ晴れとした気持ちになった。それでいざ受験勉強というものを意識して、予備校に通いだすと、知らないことばかりが目の前に山積し、あれも知らないこれも知らない、一体どれほど勉強すれば大学というものに受かるのだろう、一体いつになったらこのクソつまらない受験勉強から開放されるのだろう、と日々悶々とし、その受験勉強というものや、受験というシステムや、現役合格した友人に対するうらみつらみを、ハロプロへの過剰なのめり込みと一日数回のオナニーによってなんとか癒していたのだけれども、ハロプロへ入れ込めば入れ込むほど、オナニーをすればするほど、ブログを書けば書くほど、おれは一体何をしているのだ、こんなことをしている暇で勉強をしなければならないのではないか、バカなのではないか、おれはバカなのではないか、いくらやってもやっても覚えきれないものがそこらに転がっているというのに、おれはほんとうにバカなのではなかろうか、でも止まらない! やりたくない! 勉強したくない! とカタクナになって、代ゼミに通わないというささやかな反抗をしていたりしたのだけれど、その反抗はあまりにもささやかであったので、ただ単に親の不興を買い、家庭の中におけるぼくの肩身を狭くし、友人からも侮蔑され、なんにもいいことがなかったのでますます鬱屈した。
 たまに猛烈な焦燥感に襲われて、猛烈に勉強する、代ゼミに通うということをしてみたが、予備校講師は「継続は力なり」とか「日々の予復習の大事さ」とか、当たり前の正論を語るため、たまにこうやって猛烈に勉強してなんとか焦燥感を埋めようとしているぼくの行動を否定するのですぐにアホらしくなり、もういっそ就職してしまうのがいいんじゃないか、二浪とかしたくないし、二浪などした日には肩身の狭さや侮蔑の視線はますます我が身を削ることが容易に予想され、ああもうどうすればいいんだよ! 高三の春、いや高二の夏から人生をやり直したいよ! あやや好きだよ! 大好き! セックスしたいなあ! れいないれいなれいな! と現実逃避をしていたらセンターの日がやってきて、もうおれは終わりだ、何もできない、死ね、みんな死ね、女子高生かわいいなあ、超オナニーしたい、あやや! ああセックスしたいなあ! 制服を着たれいなの股に顔を埋めてゲロを吐きつつ泣きながらオナニーがしたいなあ! と思い、センターを受けたらやっぱりできなくて、家に帰って絶望に浸りながらまず女子高生モノのAVでオナニーして、コロッケ(コンデンスミルクが隠し味で入っていて甘い)を食べてから自己採点したら8割6分の得点率だったため、ふるえながら二度三度確認して、どこもマークミスしてないよね、おれはなにも間違っていないよね、ああよかった! これならきっとどこかしらのセンター利用で受かるはず! いやでももしかしたら今年のセンターというのは異常に簡単で、みんな普通に9割とか取っていて、8割6分でやったー! などと言っているおれを嘲笑っているのではなかろうか、もしかして、という焦燥にまたしてもとりつかれて、2ちゃんの大学受験板でセンタースレッドを確認したらヤバイ6割しか取れなかったwwwとかやってたので「バーカ、死ね、浪人して地獄の苦しみを味わえ」と書きこんだ。