ノート2

 いや実際マジメな話をすれば、学校の試験対策においては「先生の板書をキレイにノートに写しとる」というのは必要なことだ、という風に思うのですけれど、こと「受験勉強」とかいうことになると、大学なり高校なりの受験の試験範囲というのは「高校三年間の全範囲」「中学三年間の全範囲」でありまして、その全範囲を網羅するものといえばどこぞの出版社から出された参考書が数知れずありますから、分からないことがあったのならばそれを参照すればよく、「いちいち昔のノートなんぞ見返していられるかい!そもそもノートなんて作っていられるかい!」ということが僕は言いたいのであります。んで、分からないところがあったら蛍光ペンなり赤ペンなりで線を引けばいいと思います。
 ノートというのは理想的には「自分の弱点ばかりが載った、自分専用の参考書」でありまして、よくある受験ハウツーものなどで「そのようなノートの作成を目指しましょう」ということが言われますが、そんなノートを作成している内に浪人してしまうので、受験生はノートを作るとかいうことはやめるべきである。出版社の人が参考書つくってくれてるのでそれを見たらいいです。
 だから受験生にとってノートというのは常に書き捨てられていくものであるべきでありまして、それはもはやノートという体裁を取っている必要もありませんから、裏紙とかチラシの裏でいいです。分からないことをまとめたい!という欲求に駆られたら、数枚の裏紙にまとめて、しばらくチラチラ見返していれば覚えるので、覚えたら捨ててしまえばいいです。忘れたら参考書に書いてあります。参考書みたら思い出します。思い出すために参考書に線を引いておけばよいです。「あっ、線が引いてある!おれ前もここ見たのか!」という新鮮な驚きと共に覚えます。受験勉強など場当たり的に忘れたり覚えたりを繰り返すものですから、忘れたら覚え直せばよいし、覚えたらまたいつしか忘れるので、困ったら参考書を見返して、ああまたおれは忘れていたのか、ダメな奴だ、死んだ方がいい、と自己嫌悪してオナニーして寝ればいい。