夢日記

 目が覚めると友人の家に居て頭がガンガンしました。なんでおれはここに居るんだっけと不思議に思い、尋ねますと、彼は私の顔を覗きこみながら、ゆっくりはっきりした口調で、昨日飲んでただろ、日本酒をたくさん飲んだだろ、そしたら寝ただろ、いやお前がああいうことを考えてただなんて知らなかったな、そういう人間だとは知らなかった、お前とおれとも長い付き合いだが、まだまだ知らんことがあるんだな、知らなくていいこともあるんだな、見る目が変わったよ、知らなくていいこともあるんだな。
 私は起き上がって枕元にあった漫画をパラパラと読みました。おれは自転車をどこに停めたんだっけという疑問がふと頭をよぎりました。そもそも自転車で来ただろうか。確か駅前に自転車を停めて、駅前というとどの駅前だろうか、国立駅だったろうか、中野駅だったろうか、それとも高円寺駅だったろうか、もしかすると広島駅だったかも知れんし、そもそもこの家はどこにあるのだろうか。よく分からない感じがして、おれは自転車をどこに停めたっけ? おれは自転車をどこに停めたっけ? としつこく尋ねますと、彼は知らんとぞんざいに答えました。ないがしろにされている、という気がしました。侮辱されたような感じがしました。